この記事でわかること

  • ストライド(歩幅)とピッチ(回転数)の違いと、走り方の基本公式
  • 小学生がストライドよりピッチを優先すべき3つの理由
  • 家庭でもできるピッチ・ストライド改善の具体的な練習法

走る速さは「ストライド(歩幅)×ピッチ(回転数)」で決まります。小学生はまずピッチを上げることが先決で、無理に歩幅を広げるとフォームが崩れます。ラダーやリズムジャンプなど、家庭でもできるピッチ改善の練習法を紹介します。

「どうすれば速く走れるの?」

この質問に、陸上競技の世界では明確な答えがあります。

走る速さ = ストライド(歩幅)× ピッチ(足の回転数)

これが走りの基本公式。速く走るには、歩幅を広げるか、足の回転を速くするか、あるいはその両方を改善すればいいのです。

ネットで「ストライド ピッチ」と検索すると、この公式の説明は山ほど出てきます。でも、「じゃあ子どもの走りをどう改善すればいいの?」という具体的な話はあまり見かけません。

今回は、TRIANGLEで280名以上の小学生を指導してきた経験から、この公式を「子どもの走り」に落とし込むとどうなるかをお伝えします。


ストライド(歩幅)とは

ストライドとは、一歩で進む距離のこと。右足の着地点から次の右足の着地点までの長さです。

大人のトップスプリンター(100m 10秒台)のストライドは約2.2〜2.5m。小学生は身長が小さい分、ストライドも短くなりますが、身長に対する比率で見ると、まだ伸びしろがある子がほとんどです。

ストライドが短い子の特徴

  • ちょこちょこ走りになっている
  • 地面を押す力が弱い(滑るように走っている)
  • 膝が十分に伸びていない

ピッチ(回転数)とは

ピッチとは、1秒間に足が地面に着く回数のこと。「足の回転の速さ」と言い換えることもできます。

トップスプリンターのピッチは1秒間に約4.5〜5.0歩。小学生でも速い子は4.0歩を超えます。

ピッチが遅い子の特徴

  • 一歩一歩が重い(ドスドス走り)
  • 接地時間が長い(足が地面についている時間が長い)
  • 腕振りが遅い(腕と足は連動する)

子どもの場合、どっちを優先すべき?

ここが大事なポイントです。結論から言うと:

小学生はまず「ピッチ(回転数)」の改善から。

理由は3つあります。

理由1:ストライドは体の成長とともに自然に伸びる

ストライドは脚の長さ・筋力・柔軟性に大きく影響されます。小学生は体がまだ発達途上なので、無理にストライドを広げようとすると、フォームが崩れたりケガのリスクが高まります。

身長が伸びれば、ストライドは自然に広がります。今の段階で無理に「大きな歩幅で走ろう」と意識させる必要はありません。

理由2:ピッチは「技術」で改善できる

ピッチの改善は、主に以下の技術練習で可能です:

  • 接地時間を短くする練習(地面をパンッと叩くイメージ)
  • 腕振りを速くする練習(腕と足のリズムは連動する)
  • リラックスして走る練習(力みは回転を遅くする)

これらは筋力や体格に関係なく、練習すれば誰でも改善できる要素です。

理由3:ピッチが上がると「走りが楽しくなる」

ピッチが上がると、走りがリズミカルになります。ドスドス走りがタタタタッと軽い走りに変わると、子ども自身が「速くなった!」と感じやすい。この体感が走りへのモチベーションを上げます。

TRIANGLEでは: 小学生の指導では「ピッチファースト」を基本方針にしています。入会して最初に取り組むのは、接地時間を短くする「クイック接地ドリル」。足音が「ドスドス」から「パンパン」に変わると、見ている保護者の方も「走りが全然違う!」と驚きます。ストライドの改善は、体の成長を見ながら中学生以降で取り組むことが多いです。


具体的な練習法

ピッチを上げる練習

① その場ダッシュ(10秒間) その場で足踏みを全力の速さで行う。移動しないので「速く動かす」ことだけに集中できます。10秒 × 3セット。

② ラダードリル はしご状のマーカーを地面に置き、マスの中を素早く足を動かして進む。「速く正確に」を同時に鍛えられます。TRIANGLEのレッスンでもよく使います。

③ 下り坂ダッシュ(ゆるい傾斜) ゆるい下り坂を走ると、普段より足の回転が速くなります。この「いつもより速い回転」を体に記憶させる練習。※急な坂は危険なので、ゆるい傾斜で。

ストライドを伸ばす練習(中学生以上向け)

① バウンディング 大きくスキップするように走る。一歩一歩で地面を強く押し、高く・遠くに跳ぶイメージ。地面からの反発力を使う感覚を養います。

② 股関節の可動域トレーニング レッグスイング(前後・左右)で股関節の柔軟性を高める。ストライドの制限要因の一つが股関節の硬さです。

③ 坂道ダッシュ(上り) 上り坂を走ると、平地より強く地面を押す必要がある。結果として「地面を押す力」が鍛えられ、平地でのストライドが伸びます。


TRIANGLEで実際にあった変化の例

Aくん(小学3年生・入会時50m 10.2秒)

入会時の走りは典型的な「ちょこちょこ走り+ドスドス接地」。ストライドもピッチも改善の余地がありました。

まず取り組んだのはピッチ改善。接地ドリルと腕振り練習を中心に3ヶ月。足音が変わり、走りのリズムが軽くなりました。

3ヶ月後の計測:50m 9.5秒(0.7秒短縮)。

ストライドは特別な練習をしていませんが、正しい接地ができるようになったことで地面からの反発力を受けられるようになり、結果としてストライドも自然に伸びていました

これが「ピッチファースト」の効果。ピッチを改善すると、ストライドも連動して良くなるケースが多いのです。


よくある質問

Q. ストライドとピッチ、両方同時に改善できないの?

A. 物理的には可能ですが、意識するポイントが多すぎると子どもは混乱します。まずピッチを改善して走りのリズムを作り、体の成長に合わせてストライドも改善する、という段階的なアプローチが最も効果的です。

Q. 足が速い子は生まれつきピッチが速いの?

A. 確かに生まれ持った神経系の特性で「速く動かせる」子はいます。しかし、ピッチは練習で確実に上がります。TRIANGLEに通う子たちの多くが、入会3ヶ月でピッチが10〜15%向上しています。

Q. 大人にもこの公式は当てはまる?

A. はい。実はTRIANGLE代表の木幡も、大学時代にピッチ改善に取り組んで100m 11.4秒から最終的に10.93秒まで記録を伸ばしました。ピッチの改善は年齢を問わず効果的です。

Q. ピッチを上げるための家庭でできる練習法はありますか?

A. はい、ラダーがなくても「その場で10秒間全力もも上げ」が効果的です。足を速く動かす神経回路を鍛えられます。また、メトロノームアプリでテンポを設定し、そのリズムに合わせて走る練習もピッチ改善に有効です。

Q. ストライドを広げすぎるとなぜダメなのですか?

A. 無理にストライドを広げると着地が体の前方になり、ブレーキがかかってしまいます。さらに関節への負担も増え、ケガのリスクが高まります。小学生のうちはピッチを優先し、体の成長とともにストライドが自然に広がるのを待つのが正しいアプローチです。


まとめ

  1. 速さ = ストライド × ピッチ — これが走りの基本公式
  2. 小学生はピッチ改善が最優先 — 接地時間を短く、腕振りを速く
  3. ストライドは体の成長とともに自然に伸びる — 無理に広げる必要はなし

理論を知った上で、実際にお子さんの走りを見てもらうと、「なるほど、この子はピッチが課題なんだな」「接地が長いんだな」と具体的にわかるようになります。

TRIANGLEの体験レッスンでは、コーチがお子さんの走りを分析して、ストライドとピッチのどちらに改善ポイントがあるかを具体的にお伝えします。「理論はわかったけど、うちの子はどうなの?」という方は、ぜひ一度いらしてください。


無料体験のお申し込み

無料体験に申し込む →

ご質問・ご相談はLINEからもお気軽にどうぞ。 LINE公式アカウント →


関連記事(内部リンク):

  • → かけっこが速くなる!小学生が今日からできる5つの練習法(3/2公開)
  • → 子どもの走り方、親がやりがちなNG指導法とは?(3/30公開)
  • → 走りは全てのスポーツの基本。サッカー・野球にも活きる「走力」の話(5/25公開)
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "ストライドとピッチは両方同時に改善できないの?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "物理的には可能ですが、意識するポイントが多すぎると子どもは混乱します。まずピッチを改善して走りのリズムを作り、体の成長に合わせてストライドも改善する、という段階的なアプローチが最も効果的です。"
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "足が速い子は生まれつきピッチが速いの?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "確かに生まれ持った神経系の特性で「速く動かせる」子はいます。しかし、ピッチは練習で確実に上がります。TRIANGLEに通う子たちの多くが、入会3ヶ月でピッチが10〜15%向上しています。"
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "大人にもストライドとピッチの走り方の公式は当てはまる?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "はい。TRIANGLE代表の木幡も、大学時代にピッチ改善に取り組んで100m 11.4秒から最終的に10.93秒まで記録を伸ばしました。ピッチの改善は年齢を問わず効果的です。"
      }
    }
  ]
}