この記事でわかること
- 子どもの走りの目標設定で「1位になる」がNGな理由と、具体的な目標の立て方
- 過程目標(週2回練習する)と結果目標(タイムを0.3秒縮める)を両方立てることの重要性
- 親子で一緒に作る「走りの目標シート」の具体的なフォーマットと書き方
「来年はもっと速くなりたい!」
年末になると、お子さんからこんな言葉が出てくることがあります。あるいは保護者の方が「来年こそ運動会で活躍してほしいな」と思うかもしれません。
その「速くなりたい」という気持ちは、とても大切です。でも、気持ちだけでは速くなれません。「何を」「いつまでに」「どうやって」達成するのか、具体的な目標に落とし込んで初めて、走りは変わります。
ただし、子どもの目標設定は大人とは違うコツがあります。難しすぎてもダメ、簡単すぎてもダメ。そして何より、「親に立てさせられた目標」ではなく「自分で決めた目標」でなければ、子どもは本気になれません。
この記事では、走りの目標設定のコツを、TRIANGLEのプロコーチが実際に使っているフレームワークとともにご紹介します。
「1位になる」が良い目標ではない理由
お子さんに「来年の目標は?」と聞くと、こう答える子が少なくありません。
- 「運動会で1位になる!」
- 「クラスで一番速くなる!」
- 「リレーの選手に選ばれたい!」
気持ちは立派です。でも、これらは良い目標とは言えません。なぜでしょうか?
「順位の目標」は自分でコントロールできない
「1位になる」は順位の目標です。問題は、順位は相手の実力によって変わるということ。自分がどんなに速くなっても、もっと速い子がいれば1位にはなれません。
自分でコントロールできない目標を掲げると、達成できなかったときに「頑張ったのにダメだった」と挫折感だけが残ります。これでは次の目標に向かうモチベーションが生まれません。
「抽象的な目標」は行動に結びつかない
「速くなる」「上手になる」は抽象的すぎます。「速くなる」ために具体的に何をすればいいか、どのくらい速くなれば「速くなった」と言えるのかがわかりません。
目標が抽象的だと、毎日何をすればいいかが見えない → 行動しない → 変わらないの悪循環に陥ります。
良い目標の条件:3つの「S」
子どもの走りの目標には、次の3つの「S」を満たすものがおすすめです。
- Specific(具体的): 「速くなる」ではなく「50mを○○秒で走る」
- Self-controllable(自分で制御できる): 「1位になる」ではなく「自分のタイムを縮める」
- Stepwise(段階的): 「1年で2秒縮める」ではなく「3ヶ月で0.3秒縮める」
この3つを満たした目標なら、子どもは「何をすればいいか」がわかり、「自分の力で達成できる」実感を持て、「少しずつ近づいている」進捗を感じられます。
TRIANGLEでは: 入会時に「今の50mタイム」を計測し、お子さんと一緒に「3ヶ月後の目標タイム」を設定します。「1位になる」ではなく「9.5秒を9.2秒にする」という具体的な数字の目標。この目標を決めるのはコーチでも保護者でもなく、お子さん自身です。自分で決めた目標だから、練習のモチベーションが違います。そして3ヶ月後に計測して、目標を達成できたか確認する。この「目標 → 行動 → 計測 → 振り返り」のサイクルが、走力を着実に伸ばす仕組みです。
「過程目標」と「結果目標」の両方を立てる
目標には大きく分けて2種類あります。結果目標と過程目標です。走りの目標設定では、この両方を立てることが成功のカギです。
結果目標とは
結果目標は「最終的に達成したい成果」です。
例:
- 50mを9.0秒で走る
- 体力テストのシャトルランで50回を超える
- 春の大会で自己ベストを更新する
結果目標は「ゴール」にあたります。向かうべき方向を示してくれますが、結果目標だけでは「日々何をすればいいか」がわかりません。
過程目標とは
過程目標は「結果を達成するために毎日・毎週やること」です。
例:
- 週2回TRIANGLEのレッスンに参加する
- 毎日プランク20秒を3セットやる
- 毎週末に公園で30mダッシュを5本走る
- 寝る前にストレッチを5分する
過程目標は「プロセス」にあたります。結果は自分でコントロールしにくいが、過程は自分で100%コントロールできるのが大きなポイントです。
なぜ両方が必要なのか
結果目標だけだと、日々の行動が定まらず、目標が「絵に描いた餅」になりがちです。
過程目標だけだと、「何のためにやっているのか」を見失い、モチベーションが続きません。
結果目標が「ゴール」、過程目標が「ゴールまでの道筋」。両方あって初めて、目標が「行動」に変わります。
子どもの目標設定の具体例
良い目標設定の例:
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 結果目標 | 3月までに50mを9.5秒→9.2秒にする |
| 過程目標1 | 毎週土曜日にTRIANGLEのレッスンに参加する |
| 過程目標2 | 学校がない日は公園で30mダッシュを3本走る |
| 過程目標3 | 毎日プランク20秒×3セットをやる |
あまり良くない目標設定の例:
| 種類 | 内容 | 問題点 |
|---|---|---|
| 結果目標 | 運動会で1位になる | 自分でコントロールできない |
| 過程目標 | 毎日たくさん走る | 「たくさん」が曖昧 |
TRIANGLEでは: コーチが子どもたちに目標を立ててもらうとき、必ず「じゃあ、そのためにどうする?」と過程目標もセットで聞きます。「9秒台で走りたい」→「そのためにレッスンは週何回来る?」→「家では何をする?」——この会話を通して、子どもたちは「目標は立てるだけでなく、毎日の行動に落とし込むもの」だと自然に学びます。この「目標を行動計画に変換する力」は、走りだけでなく勉強や将来の仕事にも活きる一生モノのスキルです。
親子で作る「走りの目標シート」
目標を頭の中だけに留めておくと、いつの間にか忘れてしまいます。紙に書いて見える場所に貼るだけで、目標の達成率は大幅に上がります。
ここでは、お子さんと一緒に作れる「走りの目標シート」のフォーマットをご紹介します。
目標シートの書き方
以下の項目を、A4の紙やノートに書いてみてください。
【走りの目標シート 2027年】
名前:______
今の50mタイム:___秒(_月_日計測)
目標1(3月末まで)
- 結果:50mを___秒にする
- 過程:毎週_曜日にレッスンに参加する
- 過程:毎日_____を__回やる
目標2(6月末まで)
- 結果:________
- 過程:________
今年1年の大きな目標
- ____________
頑張りたい理由
- ____________
記入のポイント
1. 「今のタイム」は必ず計測して書く 目標は「現在地」がわからなければ立てられません。お正月に公園で50mを計測して、スタート地点を明確にしましょう。計測が難しければ、TRIANGLEのレッスンでコーチに計ってもらうこともできます。
2. 目標タイムは「頑張れば届く」範囲に 今のタイムからマイナス0.3〜0.5秒が、3ヶ月間の現実的な目標です。「10.0秒 → 9.5秒」はOK。「10.0秒 → 8.0秒」は非現実的。頑張れば手が届く目標が、最もモチベーションを維持できます。
3. 過程目標は「具体的な曜日・回数」で書く 「たくさん走る」ではなく「毎週火曜と土曜に走る」。「体幹をやる」ではなく「毎日プランク20秒を3セット」。具体的に書くほど、行動に移しやすくなります。
4. 「頑張りたい理由」が一番大切 「なぜ速くなりたいのか?」を言葉にすることが、目標シートの最も重要な部分です。「運動会でかっこよく走りたい」「サッカーでもっと活躍したい」「友達に負けたくない」——理由は何でもOK。自分の言葉で「なぜ」を書ける子は、目標を達成する確率が格段に上がります。
5. 見える場所に貼る 勉強机の前、リビングの壁、冷蔵庫の横——毎日目にする場所に貼りましょう。目標を「毎日見る」だけで、脳が無意識にそこに向かって行動するようになります。
親の役割:書かせるのではなく「一緒に書く」
目標シートを作るとき、最も避けるべきは「親が目標を決めて、子どもに書かせる」ことです。
親が決めた目標は、子どもにとって「やらされ感」のあるノルマになってしまいます。大切なのは、子ども自身が「自分で決めた」と感じること。
おすすめの進め方:
- 「来年、走りでどうなりたい?」と聞く
- 子どもの言葉をそのまま受け止める(修正しない)
- 「じゃあ、そのために何をする?」と過程目標を一緒に考える
- 親も自分の目標を書く(「ママは毎朝5分ストレッチする」など)
- 家族で目標を発表し合い、お互いの目標を応援する
親子で一緒に取り組むことで、目標達成が「親に言われたからやる」ではなく「家族みんなで頑張る」という前向きな体験に変わります。
TRIANGLEでは: 年始のレッスンでは「今年の目標」を子どもたちに発表してもらう時間を設けています。コーチの前で「○秒で走れるようになりたい」と宣言すると、不思議と目の色が変わる。目標を口に出すことで「やるぞ」というスイッチが入るのです。コーチもその目標を覚えていて、練習中に「あと0.2秒で目標達成だよ!」と声をかける。目標を共有してくれる大人がいることが、子どもの目標達成を後押しする大きな力になっています。
目標を「達成できた」に変える3つのコツ
目標を立てるだけでは、走りは変わりません。立てた目標を実際に達成するためのコツを3つお伝えします。
コツ1:1ヶ月ごとに「ミニ振り返り」をする
3ヶ月後の目標に向かって走り始めても、途中で「今どのくらい進んでるの?」がわからなくなることがあります。
1ヶ月ごとに50mタイムを計測し、目標に対してどのくらい近づいているか確認しましょう。計測結果を目標シートに書き加えていくと、成長の過程が目に見えてモチベーションが維持できます。
振り返りのポイント:
- タイムが縮まっていたら → 「この1ヶ月でやったことは正しかった」と確認
- タイムが変わっていなかったら → 「過程目標を守れていたか?」を振り返る
- タイムが落ちていたら → 体調や疲労の影響も考慮。焦らず過程目標の見直しを
コツ2:「できたこと」を先に褒める
目標に対して「まだ0.3秒足りない」と不足点を指摘するのではなく、「0.2秒縮まった!」と達成した部分を先に褒めるのが大切です。
子どもは「認められた」という実感があると、次の行動に自発的に向かいます。逆に、不足点ばかり指摘されると「どうせ無理」と諦めてしまいます。
褒め方の例:
- 「0.2秒も速くなったね!練習の成果が出てるよ」
- 「毎週ちゃんとレッスンに通えたね。それが大事なんだよ」
- 「プランク30秒できるようになったの?すごいじゃん!」
コツ3:目標を「更新」する
目標を達成したとき、あるいは「この目標は合わないな」と感じたとき、遠慮なく目標を更新してください。
目標は一度立てたら変えてはいけないものではありません。むしろ、成長に合わせて目標を更新していくことが、「目標設定のスキル」そのものの成長につながります。
- 目標を達成した → 次の目標を立てる(0.3秒縮められた → 次はさらに0.2秒)
- 目標が高すぎた → 下方修正してOK(9.0秒は無理だった → まず9.3秒に変更)
- 新しい目標ができた → 追加してOK(大会に出たくなった → 大会出場を目標に追加)
TRIANGLEでは: 3ヶ月ごとに全会員の50mタイム計測を行っています。計測は単なるタイムの記録ではなく、「目標に対してどのくらい進んだか」を確認する場です。目標を達成した子には新しい目標を、まだ途中の子には過程目標の見直しを、コーチが一人ひとりアドバイスします。目標を立てる → 行動する → 計測する → 振り返る → 新しい目標を立てる。このPDCAサイクルを回し続けることが、TRIANGLEで走力が伸び続ける理由の一つです。
よくある質問
Q. 子どもが目標を立てたがりません。どうすればいいですか?
A. 無理に目標を立てさせる必要はありません。目標設定に抵抗がある子には、まず「楽しいこと」からスタートしましょう。「来年やってみたいことは?」「走りで一番楽しいことは何?」という質問から始めると、自然と「もっとこうなりたい」という気持ちが出てきます。TRIANGLEでも、入会直後の子には無理に数値目標を求めず、まず「走ることが楽しい」と感じてもらうことを優先しています。楽しさの土台ができれば、目標は自然と生まれます。
Q. 目標タイムはどのくらいの改善が現実的ですか?
A. 継続的にレッスンに通っている場合、3ヶ月で0.3〜0.5秒の改善が現実的な目標です。もちろん個人差はありますが、走りのフォームを修正し、体幹を鍛え、定期的に練習を続ければ、この範囲のタイム短縮は十分に達成可能です。50m走で1秒縮めるには半年〜1年かかるケースが多いため、「3ヶ月で0.3秒」を繰り返して積み上げていくのが着実な進め方です。
Q. 親子で目標シートを作りましたが、1ヶ月で忘れてしまいそうです。続けるコツは?
A. 目標を「見える化」し続けることが最大のコツです。目標シートをリビングの見える場所に貼る、毎月1回の計測日をカレンダーに書き込む、レッスンのたびに「今日の練習は目標のどの部分につながってる?」とお子さんに聞く——こうした小さな「思い出させる仕掛け」が効果的です。TRIANGLEでは3ヶ月ごとの計測がペースメーカーになりますので、レッスンに通い続けるだけで自然と目標を意識し続けられる仕組みになっています。
まとめ
- 「1位になる」ではなく「50mを○○秒で走る」 — 自分でコントロールでき、具体的で、段階的な目標を立てることが走力向上の第一歩
- 過程目標と結果目標を両方立てる — 「何秒で走る」(結果)だけでなく「週2回練習する」「毎日体幹をやる」(過程)をセットにすることで、目標が行動に変わる
- 親子で目標シートを作り、見える場所に貼る — 子ども自身が目標を決め、親は「一緒に書く」「褒める」「定期的に振り返る」でサポート。目標設定のスキルは一生モノの財産になる
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